月別アーカイブ: 2014年10月

10月誕生会のお知らせ

保護者様

みくま幼稚園
園長 安芸志穂子

10月は神無月、神様は出雲へ集まる月とされています。古来から日本では万物に神宿る「八百万(やおよろず)信仰」がありました。あらゆるものに生命が宿って魂がある、これは心の育ちのうえで、乳幼児期にはよく似たものがみられます。そして、子どもには、大人にはみえないものがみえたり、きこえないものがきこえる、そうしたファンタジーの世界があることは絵本の世界にもえがかれて、童心として大人になった私たちの心の中にもいつもそっと息づいているものです。子どもと暮らす日々の中で、そうした記憶や手触りがふとよみがえってくるときがあるのは、そのときの自分の気持ちがどこかで思い起こされるときではないかと思うのです。

子育てをしていると自分の過去の親子関係の記憶が引き合いに出されますが、これらのデータは「思い込み資料館」に保管されていて、その資料はずいぶん頼りになったり、気持ちを振り回したりします。なにぶんデータを書いた自分は幼い頃の自分であって、子供心に書き連ねた資料館は子どもの思い込みが詰まっていて、大人の思慮分別は含まれていませんが、当の本人は気持ちをそのままに大人になっているので、それがただの日記帳にかかれた子ども心に感じた思い込みとは気がつきません。大人になるということは、かつての親の気持ちになって、「わからないなりに、親も一生懸命親になろうとしていたのだ、上手にはできなかったが一生懸命だったのだろう」と理解をしてその資料館を管理できるようになること、昔の親の気持ちをおもんばかること、自分が昔の親以上になっていくということを受け入れて、今の努めを果たそうとすることだと私は思います。これから名実ともに本当の大人になって行く若いお母さんたち、どうぞ、幼い頃に一生懸命生きた自分の気持ちを、幼い頃の思いを、胸の中の「思い込み資料館」で大切に守り、あたたかく育てていってやって下さい。

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10月誕生会のお知らせ

9月誕生会のお知らせ

保護者様

みくま幼稚園
園長 安芸志穂子

夏至をすぎる暑さ寒さも彼岸まで。夏の疲れが出る頃です。夏休みが終わってあわただしい頃ですがしっかりと夜は休息がとれるよう、質の良い睡眠をこころがけたいものです。秋は季節の変わり目、心や体の変わり目でもありますから。

 秋の子どもは大きく育つ、私がこの職場に入った頃に先輩から聞かされた言葉です。入園から半年という時間が経って、一年の半分という体験数が満ちて、それぞれの年齢のコミュニティが育ち、成熟して行く頃です。大人の見守りが少し後ろに回って行く、差し出す手が少し数が減った分、信頼をかけてあたたかいまなざしで見守ること、失敗を防ぐことも大事ですが、失敗をしたときにどうしてゆくのか、どう挽回をしてどのように修正してゆくのか、そのことも同じぐらいに大事なことです。これからおこる様々な子ども達の中での出来事は、その社会で存分に生きて行くための学びの要素です。子育ての最終の目的は自立です。いつの日か元気に家から追い出すために子どもを愛し、世話をし、分け与え、分け与えられている。そのことをこれからの季節で大人も実感を通じて体験し、学んでほしいと願います。のびゆく秋の子ども達をあたたかく見まもって行きたいと願います。

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9月誕生会のお知らせ

26年度 9月号

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入園説明会におもうこと

先日、2週にわたる土曜日の午前午後の計4回、27年度入園説明会をいたしました。お天気にも恵まれたくさんの方にご参加いただきまして感謝しております。こうして、足を運んで話をきいていただける機会をいただくことはとても有り難い機会です。
 みくま幼稚園がやりたいこと、できること、届きたいと思っているところ、そしてそれを証明してゆくことは保育そのもの、子どもの育ちそのものと改めて肝に銘じます。

当日入園説明会に足を運んでくださった若い母親である「お母ちゃん」たち。そして今この時間も一生懸命に子どもを育てようとしているたくさんのお母ちゃんたち。みたこともきいたこともないことをいきなり本番でやらされて、失敗したら子どもの将来に響くぞと言われたり、一人一人ちがうからといわれたり、皆とちがうじゃないかと言われたりしながら、なにが正解でどうしたらよいかもわからないけど、とにかく毎日、目の前の唯一無二の我が子と一生懸命にむきあって子どものために役立つことをしてやりたいと願って、子育てをしていこうとしているお母ちゃんたちに、心からエールをおくります。そして、みくま幼稚園ができることを姿形にあらわして行きたいと思います。

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秋に育ちあうこどもたち

 4月から半年が経って、夏休みをこえると、幼い子どもなりにもその学年の風格のようなものがそなわってきます。途中から入園をしてきた子どもたちも大急ぎでととのえてチームプレーに参加します。仲間の中でしか育むことができない育ちの恵みがやっと、姿や形に現れてくる、そんな季節がこれからの晩秋から早春の頃です。秋はその兆しがちらりと見えてくる季節です。今までは遊びの興味や遊びの関心でつながっていた子ども達が、その人の人柄やその人ならではの心地よさに気がついて、特定の人に親密になりたいという心の動きを体験します。その体験のためにはまず、子どもの愚痴が毎晩語られるということがおこります。うまくいかない、思い通りにならない「人の心・人の気持ち」というものに対して、初めて子どもが自力でむきあう体験がやってきます。先生たちはそのチャンスを子どもたちがモノにできるよう奮闘します。お家のお母さんたちには、子どもの苦労をねぎらってやってほしいと願います。
「半分しかできない」と「半分もできた」は同一の現象について表しています。「利息がついていないじゃないか」と「元本保証で手堅いぞ」も同じことです。「嫌いなものを食べずに残した」と「ほとんどをおいしく食べれたね」も同じことを表します。

明日はもっといいことあるだろう、そう思って大人への長い道のりを歩いていく子どもたちに、
「赤ちゃんから幼稚園へいくようになった、この子なりのやり方で一生懸命生きている、初心者の私なりに苦労してここまできている、この先もこうしてやっていける、大丈夫だ」お母さんはお母さんにそういってあげて下さい。そして子どもたちに「大丈夫よ」と言うように、お母さんは自分にも「大丈夫よ」と自分の胸に手を置いて、そう言ってあげてください。子どもと歩く子育ての道中、親子は親と子、親友であり相棒であり、かけがえのないパートナーです。なにがあるかわからないからこそ、命をあずけあうパートナーが必要なのです。何事もおこらない見込みなら、人は一人で対処ができます。同行二人、たとえ一人で歩いていても、いつもパートナーシップで結ばれている。親と子も、みくま幼稚園という存在もそうありたいと願います。

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子育てで渡る川

 子どもが中学生になった春、なんとしてでもと思い入れがあった私は、感情的になって息子に手をあげようとしました。その時に息子は私にむかって立っていて、「なんで手をあげるねん、話せばわかるやないか、ちゃんと話せば俺はわかるんやで。」ときっぱり静かに言いました。いつかちゃんとこの人に伝えなければ、そう思っていた人間が機会を見定めて言ったのだとわかりました。息子はずいぶん前から私より大人になっていたのです。ああ、子どもを守って体を大きくするという「子どもの子育て」は終わりに近づいたのだ、あとは助言だけでいいんだ、本当に見守って、困った助けてくれと言われたときにだけ、なんとしてでも助けてやれば良い時がやってきたんだと悟りました。息子が私にそれを宣言したのは後にも先にもその時ただ一度の出来事でした。しかし、私はそのただの一度で、はっきりと「小さな子どもを育てる」という子育てがもう終わったのだとわかりました。「社会人として育ってゆく青年を見守る」その段階に昇格したのだと感じました。その後、私は息子の成長に比べれば、とてもゆっくりとした速度で、様々な出来事を通じて「社会人の卵を見守る作業」に移行中で、今もその途上にいます。

 子育てというのは、基本365日土砂降りだと思われた方がよろしい。日本晴れにしてくれ、あの雲が気になるんだというのは無理な話です。雨がやんだらうれしい、晴れ間が見えて幸せだ、そう思うのがよろしいのです。茶色い濁流を、子どもの手を引いて渡らないといけないのに、服が濡れると言っているようなものだと私は思うのです。これはいささか乱暴な物言いです。しかし、自分の人生、子どもの人生の中で、絶対将来が安全安心に保証されるということがない中で、自分が自分に「大丈夫」と言い聞かせて歩くのです。「明日はもっといいことあるだろう」と小さな子どもを大きく育ててゆくのです。履いている靴が小さくなった、親元を離れて苦労しながらも幼稚園に行くのだとがんばっている、そんな姿に雲の晴れ間を感じて、あたたかく抱きしめてやって、それぞれの家族の労をねぎらって、平穏に日が過ぎるということを有り難いことなのだと喜んで感謝する気持ちを胸において子育ての日々を過ごしてほしいと願います。

 私の息子が私に言ってきかせたのは13歳のときでした。大人のような応用力にたけた現実的なノウハウはないけれど、人としての正論は間違ってはいなかった。年少さんで幼稚園児になったあの入園式から、お正月が10回、誕生日が10回すぎただけの、わずか10年後のことでした。

あと10回で皆さんのお子さんは中学生です。花のティーンエイジャーです。親はもう一度、我が子と共に10代の人生を生きることができるのです。

 その時までの、あと10回を、どうぞ大切に。

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みくま幼稚園だより 2014年9月号1
みくま幼稚園だより 2014年9月号2